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市場占有率(マーケットシェア)とは?市場占有率の種類や目安・調べ方

市場占有率(マーケットシェア)とは何かを示すイメージ図

自社の商品やサービスが、業界の中でどのくらいのポジションにあるか、売上の伸び方だけで判断していませんか。売上が前年より増えていても、市場全体がそれ以上のペースで拡大していれば、相対的にはシェアを落としていることもあります。

市場占有率(マーケットシェア)は、こうした自社の立ち位置を数字で把握するための指標です。全国規模の市場だけでなく、店舗や小売業では、お店の周辺エリアでどれだけのお客様を競合と取り合っているかという「商圏内シェア」の視点も欠かせません。

この記事では、市場占有率の意味や種類、目安となる考え方、計算方法から、店舗ビジネスにおける商圏内シェアの捉え方まで詳しく解説します。

目次

市場占有率(マーケットシェア)とは?

市場占有率(マーケットシェア)とは何かを示すイメージ図

市場占有率とは、ある市場全体の売上や販売数量のうち、自社の商品・サービスが占めている割合のことです。マーケットシェアとも呼ばれ、どちらもほぼ同じ意味で使われています。

マーケットシェアとは、対象となる市場において自社製品が占める割合を表す指標です。市場占有率とも呼ばれ、2種類に分けられます。マーケットシェアは、自社製品の売上や販売した数、販売量などをもとに算出されます。自社のマーケティング戦略に役立つほか、競合他社といかに差別化するかの参考にもなります。

日本経済新聞|マーケットシェア(市場占有率)とは 考え方や目標値について解説

たとえば、ある業界全体の年間売上が100億円で、そのうち自社の売上が10億円だった場合、市場占有率は10%ということになります。数字が大きいほど、その市場で存在感のあるポジションにいると言えます。

ここで気をつけたいのは、市場占有率は全国規模の話だけではないという点です。店舗や小売業の場合、実際にお客様が来店するのは店舗の周辺エリアが中心のため、「商圏」と呼ばれる範囲の中でのシェアも合わせて見ておく必要があります。

全国の市場占有率と、1店舗が持つ商圏内でのシェアは、似ているようで見るべきデータも活用の仕方も異なります。この記事では、両方の視点をあわせて整理していきます。

市場占有率・市場シェアを調べられる主な会社・サービスについて知りたい方は、記事の下部を確認してください。

市場占有率の種類(絶対的・相対的)

市場占有率の種類(絶対的市場占有率・相対的市場占有率)を示すイメージ図

市場占有率には、大きく分けて2つの種類があります。どちらを使うかによって、見えてくる自社のポジションが変わってきます。

  • 絶対的市場占有率
  • 相対的市場占有率

それぞれ解説します。

絶対的市場占有率

絶対的市場占有率とは、市場全体の売上に対して、自社の売上がどれくらいの割合を占めるかをそのまま示す指標です。単に「市場占有率」という場合、多くはこの絶対的市場占有率を指します。

計算式は「自社の売上 ÷ 市場全体の売上 × 100」というシンプルなものです。市場全体の規模と、自社の実際の売上さえわかれば算出できるため、最初に確認する指標として使いやすいです。

相対的市場占有率

相対的市場占有率とは、市場全体ではなく、最大手の競合と比べて自社がどの程度のシェアを持っているかを示す指標です。「自社の売上 ÷ 最大手企業の売上」で計算します。

たとえば、自社の絶対的市場占有率が10%でも、最大手の売上が自社の2倍であれば、相対的市場占有率は0.5になります。絶対的な数値だけでなく、1位企業とどれくらい差があるかまで見ておくと、自社の実力をより正確につかみやすくなります。

店舗・小売業における「商圏内シェア」という考え方

店舗・小売業における商圏内シェアの考え方を示すイメージ図

全国規模の市場占有率だけを見ていると、店舗ビジネスの現場では見落としがちな視点があります。

店舗の場合、実際に来店するお客様の多くは、店舗から一定の範囲に住んでいる、あるいは働いている方々です。この範囲のことを「商圏」と呼び、商圏内でどれだけのお客様を競合店と取り合っているかを示すのが「商圏内シェア」です。

一見、全国での市場占有率が小さい会社は競争力も低いように見えますが、実際には必ずしもそうとは限りません。たとえば、全国チェーンの一部門として見れば市場占有率は小さくても、特定エリアの商圏内シェアでは競合を上回っているケースもあります。

出店計画販促の判断は、全国データよりも商圏内シェアのほうが実務に直結しやすい指標です。店舗開発や販促の担当者ほど、この視点を意識しておくと、判断のずれを防ぎやすくなります。

市場占有率の目安になる「クープマンの目標値」

クープマンの目標値による市場占有率の目安を示すイメージ図

市場占有率を評価するときの目安として、「クープマンの目標値」という考え方がよく使われます。アメリカの数学者クープマン氏が示した理論をもとにした、いくつかの節目の数値です。

クープマンの目標値について
  1. 独占的市場シェア(上限目標値):73.9%
  2. 相対的安定シェア(安定目標値):41.7%
  3. 市場影響シェア(下限目標値):26.1%
  4. 並列的上位シェア:19.3%
  5. 市場的認知シェア(影響目標値):10.9%
  6. 市場的存在シェア(存在目標値):6.8%
  7. 市場橋頭堡シェア:2.8%

クープマンの目標値については、ランチェスター戦略の記事でも紹介しています。

  • 独占的市場シェア(上限目標値)
  • 相対的安定シェア(安定目標値)
  • 市場影響シェア(下限目標値)

それぞれ解説します。

独占的市場シェア(上限目標値)

独占的市場シェアは、市場占有率がおよそ73.9%に達した状態を指します。事実上その市場を独占していると言える水準で、これ以上シェアを追い求める必要はほとんどありません。

ここまでシェアを持てれば、競合の動き一つひとつに一喜一憂せず経営を進めやすくなります。とはいえ、実際にこの水準へたどり着ける企業はごく一部にとどまります。

相対的安定シェア(安定目標値)

相対的安定シェアは、41.7%前後の水準を指します。1位の地位がある程度安定しやすく、業界内でのリーダーとしての立場を維持しやすいラインとされています。

この水準に近づくと、価格や販路の面でも有利に立ち回りやすくなります。一方で、シェアを維持するためのコストがかさみやすい点には注意が必要です。

市場影響シェア(下限目標値)

市場影響シェアは、26.1%前後の水準を指します。市場全体の動向に一定の影響を与えられる、最低限のラインとされる目安です。

このほかにも、並列的競争シェアや市場認知シェアなど、段階に応じた目安がいくつか示されています。まずは自社の現状がどのゾーンに近いのかを把握することが、目標設定の出発点になります。

市場占有率を把握するメリットと注意点

市場占有率を把握するメリットと注意点を示すイメージ図

市場占有率を把握することには、メリットと気をつけたい注意点の両方があります。数字だけを追いかける前に、両方を押さえておくと活用しやすくなります。

  • 市場占有率を把握するメリット
  • 市場占有率を活用するときの注意点

それぞれ解説します。

市場占有率を把握するメリット

最大のメリットは、自社が市場の中でどのポジションにいるかを、感覚ではなく数字で確認できることです。売上の増減だけを見ていると、業界内での立ち位置の変化には気づきにくいものです。

新規事業や新商品を検討する場面でも、既存市場のシェア状況を先に確認しておくと役立ちます。上位企業が強いシェアを握っている市場なのか、まだ参入の余地がある市場なのかを判断しやすくなります。

市場占有率を活用するときの注意点

便利な指標に見えますが、市場占有率はあくまで過去から現在までの実績を示す数字であり、そのまま将来の予測に使うのは避けたいところです。

また、競合の動きや消費者トレンドの変化によって、数値は比較的短い期間でも変わることがあります。一時点の数字だけで判断せず、推移を追いながら確認していくと、実態とのずれを防ぎやすくなります。

市場占有率・市場シェアを調べられる主な会社・サービス

業界全体ではなく、商品・サービス別に企業の市場占有率を調べたい場合、次のサービスがおすすめです。

会社・サービス特徴向いている調査料金
業界動向サーチ国内の主要業界について、市場規模、業界動向、企業の売上高ランキングなどをグラフで確認できる無料で業界全体と主要企業を把握したい場合無料
矢野経済研究所「マーケットシェア事典オンライン」多数の品目について、市場規模や企業別シェア、順位などを確認できる国内の商品・サービス別シェアを詳しく調べたい場合有料
G-Search「富士経済グループ マーケットシェアデータ」富士経済グループの市場調査レポートを基に、市場規模、企業別シェア、将来展望などを収録ニッチな製品市場やメーカー別シェアを調べたい場合有料・従量課金
富士経済グループ食品、化粧品、ヘルスケア、エネルギー、産業機器、ITなどの専門市場に強い特定の商品カテゴリーを深く調べたい場合有料レポート
マーケティング・データ・バンク(MDB)官公庁、業界団体、新聞、雑誌、海外情報などを横断して市場情報を収集できる新規事業や事業計画のために幅広く調査したい場合法人向け・有料
東京商工リサーチ国内企業の売上高、業績、業種などを基に、企業ランキングや業界構造を分析できる非上場企業を含む競合企業の調査法人向け・有料
帝国データバンク「業界動向」国内企業データを活用した業界動向、企業ランキング、サプライチェーン調査などを掲載非上場企業を含む業界分析や競合調査一部無料・詳細は有料
日経テレコン新聞・雑誌記事、企業情報、業界情報、市場調査資料などを横断検索できる上場企業、主要企業、市場ニュースをまとめて調べたい場合有料
会社四季報オンライン「業界研究」業界地図や企業情報を基に、主要企業、業界構造、企業間の関係を確認できる上場企業を中心に業界内の位置付けを把握したい場合一部無料・有料プランあり
会社四季報 業界地図多数の業界について、主要企業、業界構造、市場動向を図解している業界の主要プレイヤーを視覚的に把握したい場合書籍・電子版
Statista国内外の市場規模、企業ランキング、利用率、シェアなどの統計を幅広く収録海外を含む市場や消費者動向を調べたい場合一部無料・有料
Euromonitor International消費財やサービスを中心に、国別の市場規模、ブランドシェア、企業シェアを収録世界各国の消費財市場を比較したい場合法人向け・有料
IBISWorld海外の業界規模、主要企業、競争環境、成長予測などを提供海外市場の業界構造を調べたい場合有料
IDC JapanIT、クラウド、ソフトウェア、デバイスなどの市場規模とベンダーシェアに強い国内IT市場の企業別シェアを調べたい場合一部無料・詳細レポートは有料
GartnerIT市場の市場動向、ベンダー評価、市場予測などを提供法人向けIT製品やサービス市場を調べたい場合一部無料・詳細は有料

特に優先度を付けるなら、次の使い分けが分かりやすいです。

  • 無料で業界全体を確認:業界動向サーチ
  • 商品別の国内シェアを確認:矢野経済研究所
  • よりニッチな製品を確認:G-Search・富士経済
  • 非上場企業を含めて調査:東京商工リサーチ・帝国データバンク
  • 海外市場を確認:Statista・Euromonitor
  • IT製品のシェアを確認:IDC・Gartner

矢野経済研究所では品目別の市場規模や企業別シェアを、G-Searchでは富士経済グループの市場調査を基にした市場規模推移やシェア情報を確認できます。

MDBは官公庁・業界団体資料を含む幅広い情報源を収録し、日経テレコンは新聞・メディアと企業情報を横断的に検索できます。

目的別のおすすめ

商品単位のシェアを知りたい

例えば、「業務用冷蔵庫」「POSレジ」「商圏分析ツール」といった細かな市場なら、次の順番がおすすめです。

  1. 矢野経済研究所
  2. 富士経済・G-Search
  3. 日本能率協会総合研究所
  4. 業界団体の統計

特に矢野経済研究所は、一般的な業界分類より細かい品目まで掲載していることが特徴です。東京都立図書館の資料でも、細かな品目を含む主要商品約650品目のシェア資料として紹介されています。

企業別の業界シェアを知りたい

「建設会社」「人材会社」「広告代理店」など、会社の売上高を基準に比較するなら、次が適しています。

  • 業界動向サーチ
  • 東京商工リサーチ
  • 帝国データバンク
  • 日経テレコン
  • 有価証券報告書
  • 各社の決算説明資料

業界動向サーチは無料で、215以上の業界と5,000社以上の企業情報を掲載しているため、最初の候補企業抽出に使いやすいです。

海外を含む市場シェアを知りたい

海外市場まで調査するなら、以下が候補です。

  • Euromonitor Passport
  • Statista
  • GlobalData
  • IBISWorld
  • Gartner・IDC:IT市場
  • Counterpoint Research・Canalys:スマートフォン、PCなど

ただし、海外サービスは「売上高シェア」「販売数量シェア」「出荷台数シェア」が混在するため、指標の定義を確認する必要があります。

おすすめの調査手順

実務では、次の順番が効率的です。

① 業界動向サーチで業界名と主要企業を確認

② 矢野経済研究所またはG-Searchで商品名を検索

③ 業界団体の統計で市場全体の数量・金額を確認

④ 各社の決算資料から商品売上や販売数量を確認

⑤「企業売上÷市場全体」でシェアを計算

注意点として、企業売上を単純に合計した「業界規模」と、特定商品の販売額を集計した「製品市場規模」は別物です。また、市場シェアも、売上金額、販売数量、出荷数量、契約社数、店舗数など、基準によって順位が変わります。

特に「一般的な業界商品の企業別シェア」が目的なら、矢野経済研究所と富士経済を中心にし、見つからない市場だけ業界団体や決算資料から計算する方法が最も現実的です。

市場占有率・商圏内シェアの調べ方

市場占有率・商圏内シェアの調べ方を示すイメージ図

市場占有率を調べる方法は、全国レベルで見るか、店舗単位の商圏内シェアで見るかによって変わってきます。

  • 全国レベルの市場占有率を調べる方法
  • 店舗レベルの商圏内シェアを把握する方法

それぞれ解説します。

全国レベルの市場占有率を調べる方法

全国規模の市場占有率は、官公庁の統計や業界団体のレポート、民間調査会社のデータなどをもとに算出するのが一般的です。

自社と競合の売上データを集め、「自社の売上 ÷ 市場全体の売上」で計算しますが、どこまでを同じ市場とみなすか(市場の定義)によって数値が変わってしまう点には注意が必要です。

市場占有率・市場シェアを調べられる主な会社・サービスについては、上述しています。

店舗レベルの商圏内シェアを把握する方法

店舗単位の商圏内シェアは、商圏内にある競合店舗の数や、来店が見込める人口の分布をもとに把握していきます。

自分の足で競合店を数えて回る方法もありますが、エリアが広くなるほど手間も時間もかかります。商圏分析ツールを使って、地図上で競合店舗数や人口データを確認する方法を選ぶ会社も増えています。

市場占有率に関するよくある質問

市場占有率に関するよくある質問のイメージ図

市場占有率についてよく寄せられる質問をまとめました。

市場占有率とシェア率は同じ意味ですか?

基本的には同じ意味で使われることがほとんどです。会社やメディアによって呼び方が「市場占有率」「マーケットシェア」「シェア率」と異なるだけで、指している内容はほぼ同じと考えて差し支えありません。

市場占有率は何%あれば高いといえますか?

一般的には、クープマンの目標値でいう「市場影響シェア」の26%前後を超えると、市場に一定の影響力を持てる水準とされています。ただし業界の競争環境によって基準は変わるため、自社が属する市場の特性もあわせて確認しておくと安心です。

商圏内シェアと全国の市場占有率はどう違いますか?

全国の市場占有率は業界全体での立ち位置を示すのに対し、商圏内シェアは店舗ごとの生活圏・来店圏という狭い範囲での競合との力関係を示します。

店舗開発や出店の判断では、商圏内シェアのほうが実務上の参考になりやすい指標です。

商圏内シェアはどうやって調べればいいですか?

商圏内の競合店舗数や人口データを自分で集めて計算することもできますが、商圏分析ツールを使うと、地図上で競合店舗数や人口分布を素早く確認できます。

手作業で集計する場合に比べて、調査にかかる手間を大きく減らせる点がメリットです。

市場占有率(商圏シェア)の把握なら商圏分析ツール・売上予測のgleasin

自社や競合の商圏内シェアを、感覚ではなく数字で把握したい方には、gleasinがおすすめです。

商圏内の競合店舗数を自分で数えて回るのは、手間も時間もかかる作業です。地図上でスピーディに競合状況を確認したいなら、商圏分析・売上予測ツールの「gleasin(グリーシン)」が選択肢の一つになります。

gleasinは、エムディー株式会社が提供する商圏分析・売上予測ツールです。マップにピンを落とすだけで立地データが5秒で算出でき、ベンチマーク機能を使えば、商圏内にある競合店舗数をマップ上で瞬時に確認できます。

主な機能は以下のとおりです。

  • Geodemo:消費者属性を10種類に分けて地域ごとに可視化。ターゲット層のいるエリアを直感的に選定できる
  • GPSメッシュ:125mメッシュで時間帯別の人口滞留数を表示。営業時間を加味した分析が可能
  • ベンチマーク:商圏内の競合店舗数をマップ上で瞬時に確認でき、商圏内シェアの把握に直結する
  • 売上予測:AIを使った高精度の売上シミュレーション(売上一致率80〜90%の実績)

日本ケンタッキー・フライド・チキン・OWNDAYSなど、業種を問わず多くの企業が導入しています。

gleasinの無料トライアルや資料請求については、gleasinの公式サイトで確認しましょう。

人流データ商圏人口昼間人口足元商圏などをもとに、店舗開発や出店戦略をより具体的に検討したい方には、商圏分析ツールgleasin」がおすすめです。gleasinは、GPSなどから得られる位置情報や各種統計データをGIS上で可視化し、商圏の把握や立地分析立地戦略エリアマーケティングに活用できます。良い立地の選定はもちろん、フランチャイズ展開における出店候補地の比較にも役立ちます。

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この記事を書いた人

2003年創業。医師・歯科医師のクリニック開業・経営支援を原点に、立地戦略コンサルティングおよびAIソリューション事業を展開するコンサルティングファーム。自社開発のAI立地分析ツール「gleasin」による高精度な商圏・人流データ分析と、20年以上の開業支援実績を組み合わせ、物件選定から開業後の経営支援まで一気通貫でサポート。東京・麻布台ヒルズを拠点に活動。

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