ArcGISは、世界的に広く使われているGISプラットフォームですが、「どのような機能があるのか」「料金はどれくらいかかるのか」「自社に合っているのか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
GISツールは、搭載機能や提供形態、活用目的によって向いている企業・組織が異なります。
本記事では、ArcGISの機能・特徴・料金・口コミ評判、向いている企業・組織、他の商圏分析ツールとの違いについてわかりやすく解説します。

※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
GISツールのArcGISとは?

出典:ArcGIS
ArcGISは、米国Esri社が開発し、ESRIジャパン株式会社が国内で提供するエンタープライズ地理空間プラットフォームです。マッピング・空間解析・現地調査支援・データ管理・画像処理・リアルタイムデータ解析など、GISに関する幅広い機能を網羅しています。
世界の大企業の70%・主要な中央政府の95%・大都市の80%で活用されており、国内でも環境省・横浜市・竹中工務店・サイゼリヤ・慶應大学など、官民問わず幅広い組織で導入されています。
ArcGIS Online(クラウド)・ArcGIS Pro(デスクトップ)・ArcGIS Enterprise(オンプレミス)・ArcGIS Developers(開発者向け)など、用途に合わせた複数の製品ラインアップが用意されており、組織の規模やIT環境に合わせて選択できます。


※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
ArcGISの機能・特徴
ArcGISは、GISに関する幅広い機能を網羅した総合的なプラットフォームです。主な機能・特徴を解説します。
高度な空間解析と多彩なGIS機能を活用できる
到達圏分析・ネットワーク解析・空間統計・地形解析など、高度な空間解析機能を多数搭載しています。商圏分析では、到達圏・多角形・バッファなど複数の方法でエリアを設定し、地域の特性データと組み合わせた分析が可能です。
3D表示機能も備えており、地形や都市構造を立体的に可視化することもできます。ドローンや人工衛星画像の処理・リモートセンシングにも対応しており、活用範囲は非常に広いといえます。
-
- 到達圏・ネットワーク解析・空間統計など高度な空間解析機能を搭載
-
- 3D表示・ドローン画像処理・リモートセンシングにも対応
-
- GISに必要な機能をほぼ網羅した総合的なプラットフォーム
デスクトップからクラウドまで包括的に利用できる
ArcGIS Onlineによるクラウド利用・ArcGIS Proによるデスクトップ利用・ArcGIS EnterpriseによるオンプレミスGIS基盤構築など、組織の規模やIT環境に合わせた形態で導入できます。オフライン環境での作業にも対応しています。
各製品は連携して使えるため、現場でのデータ収集から社内でのデータ分析・Webでの地図公開まで、一連のGISワークフローをArcGISで統一できます。
IoTやリアルタイムデータと連携した分析ができる
IoTセンサーデータやリアルタイムの位置情報データとの連携に対応しており、人流・交通・環境データなどをリアルタイムで地図上に可視化できます。Stat Suite・Geo Suiteなどのデータパッケージも提供されており、必要なデータを追加して活用できます。
APIやSDKも充実しており、既存の業務システムや独自アプリへの地図・位置情報機能の組み込みにも対応しています。
WebマップやダッシュボードをそのままWeb公開できる
ArcGIS Onlineを使うと、作成した地図やダッシュボードをWebで簡単に公開・共有できます。自治体のハザードマップ公開や、社内向けのエリア分析レポートの共有などに活用しやすい機能です。
ArcGIS ExperienceBuilderなどのノーコードツールも用意されており、プログラミング知識がなくても地図アプリを構築できます。

※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
ArcGISの料金
初期費用
公式サイトでは料金が公開されていない場合があります。利用する製品・ライセンス数・オプション機能によって料金が大きく異なるため、詳細は問い合わせで確認することをおすすめします。
月額料金・ライセンス費用
ArcGIS Onlineなどのクラウド製品はサブスクリプション型の料金体系が基本です。利用するユーザー数・クレジット消費量・追加するデータパッケージなどによって料金が変わります。
無料トライアル・デモの有無
公式サイトによると、ArcGISの21日間の無償トライアルが提供されています。実際の機能を試してから導入を検討できるため、まずトライアルを活用することをおすすめします。

※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
ArcGISの口コミ評判
ArcGISについて信頼できる口コミ情報が限られているため、機能面・料金面・操作性の観点から評価ポイントを解説します。
機能面では世界標準のGIS機能の網羅性に強みがある
世界300,000組織以上の導入実績が示すとおり、GISプラットフォームとしての信頼性と機能の網羅性は業界トップクラスといえます。空間解析・現地調査支援・リアルタイム分析・画像処理など、GISに関するほぼあらゆるニーズに対応できる機能を備えています。
料金はプランや利用規模を確認する必要がある
公式サイトでは料金が公開されていないため、具体的な費用は問い合わせが必要です。高機能なプラットフォームであるため、コストが見えにくい点は導入検討時に確認しておくべきポイントです。
21日間の無償トライアルを活用して機能を確認した上で、見積もりを取って費用対効果を検討することをおすすめします。
操作性は高機能ゆえに習熟期間が必要な場合がある
機能が豊富な分、操作の習熟に一定の時間が必要になる場合があります。ただし、ArcGIS Onlineなどのクラウド製品は比較的手軽に始めやすい設計になっており、用途に応じた製品を選ぶことが重要です。
ESRIジャパンでは研修・サポートプログラムが充実しており、導入後のサポート体制も確認しながら検討することをおすすめします。

※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
ArcGISが向いている企業・組織
ArcGISは、GISを高度に活用したい企業・組織に向いています。どのような用途に活用しやすいか解説します。
GISを高度に活用したい企業・研究機関
空間解析・リモートセンシング・3D表示など、高度なGIS機能を業務に活用したい企業・研究機関に向いています。商圏分析に限らず、インフラ管理・環境分析・防災対策など幅広い用途に対応できます。
-
- 高度なGIS機能を業務システムに組み込みたい企業
-
- 複数部門でGISを共有・活用したい大規模組織
-
- GISデータの分析・可視化・公開まで一元管理したい企業・自治体
大規模な空間データ分析が必要な自治体・行政機関
ハザードマップ・都市計画・施設管理・災害対応など、大量の空間データを扱う自治体・行政機関に向いています。ArcGIS Enterpriseを使えば、庁内のGIS基盤として整備することも可能です。
業務システムに地図・位置情報機能を組み込みたい企業
既存の業務システムや独自アプリに地図・位置情報機能を追加したい企業に向いています。ArcGIS DevelopersのAPIやSDKを使えば、カスタムアプリへのGIS機能の組み込みが可能です。
IoTやリアルタイムデータを活用したい企業
工場設備の稼働データ・配送車両のGPS情報・環境センサーのデータなど、リアルタイムの位置情報データを地図上で監視・分析したい企業に向いています。IoT連携機能を活用することで、現場の状況をリアルタイムで把握しやすくなります。

※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
ArcGIS以外のおすすめ商圏分析ツール

ArcGISは高機能なGISプラットフォームですが、商圏分析に特化した専用ツールも多くあります。目的や予算に合わせて比較してみましょう。
ArcGIS以外の商圏分析ツールを紹介します。商圏分析に特化したツールは、ArcGISに比べて導入コストを抑えながら必要な機能を使えるものも多くあります。
gleasin
gleasinは、エムディー株式会社が提供するAI売上予測や人流分析に対応した商圏分析ツールです。
新規出店の売上予測や候補地比較を行いたい企業に向いています。125mメッシュの高解像度人流データを活用した細かな立地判定が可能です。
Web完結型で利用できるため、専用ソフトをインストールせずに商圏分析を始めたい場合にも検討しやすいでしょう。


MarketAnalyzer
MarketAnalyzerは、技研商事インターナショナル株式会社が提供する商圏分析GISツールです。約600項目のデータと高度な統計解析機能を備え、2,000社以上の導入実績があります。
商圏分析・出店判断・エリアマーケティングに特化した機能が揃っており、ArcGISより導入しやすい形態で提供されています。


jSTAT MAP
jSTAT MAPは、総務省統計局が提供する無料のWeb型地理情報システムです。国勢調査・経済センサスなどの公的統計データを地図上に表示し、エリアの基礎情報を無料で確認できます。
ArcGISのような高機能なGISツールを使わなくても、公的統計を活用した基本的な商圏分析は無料で始められます。


TerraMap
TerraMapは、マップマーケティング株式会社が提供するスタンドアロン型の商圏分析GISツールです。現場視点の使いやすさとハフモデル分析・ワンクリックレポートなど実践的な機能が揃っています。
累計2,500社以上の導入実績があり、商圏分析に特化した機能を使いたい企業に向いています。


RESAS
RESASは、内閣府 地方創生推進室が提供する無料の地域経済分析システムです。産業構造・人口動態・観光情報など地域の官民ビッグデータをグラフや地図で可視化できます。
登録不要・完全無料で、地域経済のマクロ分析や出店エリアの基礎調査に活用しやすいツールです。


MarketPlanner
MarketPlannerは、株式会社パスコが提供する商圏分析ツールです。詳細な道路網データを活用した到達圏分析と物流ルートの最適化機能を備えており、出店計画と配送効率を同時に検討できます。


楽商地図
楽商地図は、株式会社マップクエストが提供する商圏分析アプリです。3ステップの簡単操作で商圏分析が行えるため、GISの専門知識がなくても使いやすい設計になっています。低コストで有料の商圏分析機能を使いたい企業に向いています。


MAP-STAR Web診療圏分析
MAP-STAR Web診療圏分析は、株式会社ワイ・ビー・シーが提供する医療機関向けの診療圏分析ツールです。レセプトデータに基づく患者受療行動の可視化・競合医院の分析・開業シミュレーションなど、医療機関の開業・経営支援に特化しています。


CARTO
CARTOは、株式会社シグナイトが提供するロケーションインテリジェンスプラットフォームです。クラウドネイティブな設計で大規模な位置情報データを高速処理でき、SQLやPython連携・BigQuery連携に対応しています。データサイエンティストや高度な分析環境を必要とする企業に向いています。


DEECH
DEECHは、株式会社DEECHが提供する商圏分析からポスティング発注までワンストップで完結するサービスです。商圏分析後にそのままチラシ配布の発注ができ、反響分析でPDCAを回しやすくなっています。


GEOPLATS
GEOPLATSは、株式会社NTTデータが提供するWeb-GIS構築プラットフォームです。ゼンリン地図や各種統計データを標準搭載し、防災情報の公開・施設管理など多目的な業務支援アプリの構築基盤として活用できます。


GeoMation
GeoMationは、株式会社日立ソリューションズが提供する空間情報ソリューションです。電力・ガス・通信など大規模な社会インフラ設備の維持管理や現場業務支援に特化しており、タブレット連携・IoTセンサーデータとの連携にも対応しています。


KDDI Location Analyzer
KDDI Location Analyzerは、KDDI株式会社が提供する人流分析サービスです。auユーザーのGPS位置情報ビッグデータをもとにエリアの滞留人口・来訪者の動態・訪日外国人の動きを分析でき、観光政策・商業施設の集客分析に活用しやすいサービスです。


FalconEye GIS
FalconEye GISは、GISソフトラボが提供する完全無料のデスクトップ型GISソフトウェアです。Shapefileなどの標準GISフォーマットに対応しており、Java環境で動作します。低予算でGISの基本機能を試したい場合や学習・研究用途に向いています。



※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
ArcGISに関するよくある質問



最後に、ArcGISに関するよくある質問を紹介します。料金や対応業種、無料トライアルの有無など、導入前に気になりやすいポイントを確認しておきましょう。
ArcGISは有料のGISプラットフォームです。ただし、21日間の無償トライアルが提供されています。まずトライアルで機能を確認した上で、導入を検討することをおすすめします。
高度なGIS機能を必要とする企業・自治体・研究機関に向いています。商圏分析だけでなく、インフラ管理・環境分析・防災・IoT連携など幅広い用途に対応できるプラットフォームです。商圏分析専用ツールと比較してコストや操作習熟の観点も検討することをおすすめします。
到達圏分析・ネットワーク解析・空間統計など、商圏分析に活用できる機能を備えています。ただし、商圏分析専用ツールのように国内の推計年収・消費動向・チェーン店データが標準搭載されているわけではないため、データの整備が別途必要になる場合があります。
ESRIジャパンの公式サイトから資料請求や問い合わせが可能です。21日間の無償トライアルも用意されているため、まず試してみることをおすすめします。

※無料ダウンロード:サービス概要(事例つき)
まとめ
ArcGISは、ESRIジャパン株式会社が国内で提供する世界的なGISプラットフォームです。空間解析・3D表示・IoT連携・画像処理など高度なGIS機能を網羅しており、世界300,000組織以上の導入実績があります。
高度なGIS機能を業務に活用したい企業・研究機関、大規模な空間データを扱う自治体、業務システムに地図・位置情報機能を組み込みたい企業に向いています。
料金は製品構成やライセンス数によって異なるため、まず21日間の無償トライアルを試してから問い合わせで見積もりを取ることをおすすめします。最新情報は公式サイトでご確認ください。
商圏分析に特化したツールも複数あります。まとめ記事では複数ツールを一覧で比較できます。自社の目的・予算に合ったツールを選んでみましょう。

